雨と雪の日々。

日々の記録、粛々と。

時空モノガタリ「第1回自作小説の冒頭コンテスト」最優秀賞いただきました!

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※時空モノガタリ「第1回自作小説の冒頭コンテスト」最優秀賞いただきました!

投稿した四作のうち、一作が最優秀賞をいただきました!

大変光栄でございます。ありがとうございます!

現在長編の書き出しで唸っている最中でしたので、励みになりました。めげずに仕上げたいと思います。

さて、商品は、一万円相当の和牛ギフトカタログだそうです。わお!楽しみです。

選出いただいのは下記の内容です。


#自作小説の冒頭  はじめて降りる駅。  すべてが霧に包まれていた。電車に乗っていたのは私ひとり。プラットホームから微かに輪郭がわかる駅舎に入ると、堅いものにぶつかった。腰高ほどある木の箱だった。 『免罪箱』と書かれた、上蓋の丸い穴に切符を投げ入れると、一気に視界が鮮明になった。

 

貴方は賢く、私は捻くれもの。

今朝の目覚めはナーバス。そんな夢を見たわけでもないだろうが、ちょっと昔の自分を思い出して涙した。あの頃と変わってしまった情況と、変わっていない部分。引き出しの奥にずっと捨てることができなくてあるようなものを、久しぶりに気づいてしまい、だからってどうすることもできず、戻ることもできないし、それほどそれを望んでいないし、という、不具合を抱えたまま老いていくのだろう自分を認め、手だけ伸ばしてカーテンの裾を引っ張ってみると、思ったよりも今日は天気がいいのかもという明るさに目を閉じて、涙する朝もそう悪くないな、とうつぶせになったしだい。

 

#Writone 音声化「六月、霧のなかに立つもの」6月1日

【詩 Lime Season】

「六月、霧のなかに立つもの」


寒い朝が続いている。
そう思って上着をひっかけて出かける。
だいたい十時ごろから裏切られる。
霧が晴れると暑くなる。
少し悔しくなって、上着を脱ぐ。
それでも、暑い。

暑いと熱い。
気温と体温と、意識。
いまの気持ち、集中したい時期。
いろんなことに。

今朝も霧に包まれる屋根たち。
上着は持たないで出る。
熱いのだ。私。


※拝聴はこちら

朗読者 ぴろ @blue_moon163 様

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#Writone 音声化「心の断捨離」5月24日

「心の断捨離」

シンプルな心で生きる
 それは、純粋であるということ
 それは、まっすぐであるということ
 そして、強いということ

シンプルな心で生きる
 それは、選ぶということ
 すこし、切ないということ
 いちばん、勇気のいること

シンプルな心で生きる
 それは、見るということ
 それを、感じるということ
 そして、極めるということ

シンプルな心で生きる
 それは、自分を知るということ

 

※拝聴はこちら

朗読者 沼端ひさの @hisano_nuppy  様

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文章力アップ、練習方法3つ。by公募ガイドメール

公募ガイドからのメール、気になったので書き留める。
「手軽だけど確実に」文章力がアップする練習方法を3つ。
 
①三題噺(さんだいばなし)
関連のない3つの単語を組み合わせながら話を作る。
単語は思いついたものでかまわず、たとえば「プリン・日曜日・猫」とか。
これら3つの単語を使い、500字程度の文章を書く。即興で作ることで、頭のトレーニングにもなる。
 
②他人の文章を直す
ちょっと嫌な方法ですがこれも効果はバツグン。
題材はネット上のブログなどでOK。
編集者や校正者になったつもりで「ここが分かりづらい」「こうすればもっと面白いと、直せそうな点を考えてみる。
 
③日記をつける
毎日書く。
ただ日記をつけるだけではなく、一日のうちで一番記憶に残っている30秒のことを丁寧に書くようにすると、語彙力や描写力アップにつながる。
 
なるほど、だらだら綴る日記ではなく、印象的な30秒にクローズアップする。描写の練習にはなりそうです。
 
 
 
 

#Writone 音声化「水平線を突く」5月23日

「水平線を突く」

果てはどこにあるのか
見えるものなのか
誰が決めるのか

水平線のぼんやりに 指を差す
やがて わずかなぶれの眩惑
爪の欠片かと見紛うものが
確かな速度をもって 迫りくる

船だ
この指を ものともせず
その舟首を現し 白波を携えて ゆうたりと横を向く

何を見てきたのか
何を知っているのか
その堂々たる躯体に 海の果ての潮を吸ってきたのか
見惚れるこちらに かまうことなく勇姿は過ぎる

我が舳先が向かうは
海と空の境界
その果ての答えは見えず
されど 光を希い願い 波を漕ぐ

進んでいるのか
流されているのか
わかりようもなく 
ただただ 果てない海原を漂う

汽笛が響く まるで沖を揺らすように
その浮き立つものを 逃すまいと指で突く

旅はいまだ 途中

 

※拝聴はこちら
朗読者 なみ @nyami_73_nyaaa 様 

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#Writone 音声化「青空だから」5月23日

【詩 Lime Season】「青空だから」

駆け出す君の背中が
二度と振り向かない
そんな不安が過るのは
遠すぎる青空のせい

知らないうちに 冷めた横顔が
心に貼りついていた
どこまでも どこまでも 
ついてくる雲の陰り
台無しになったスカイブルー

空を破ってしまえたら
漆黒の闇が降ってきて
君は立ち止まるんだろう
手探りで掴む温もり
それだけで歩いていけるのに

けれどもう
君は見つけてしまった
君にしか見えない色に向かって駆けていく

僕は破れた空を繕《つくろ》って
もう戻れない色を閉じ込めた

青空なんて
二度と見たくない



※拝聴はこちら
朗読者 みちくさ @MICHIKUSA_VOICY 様

自作小説の冒頭、参加してみた。

#自作小説の冒頭  今夜もおじさんは、そのまるこい背中を私に向けて眠りに入った。くうくうと、まるで子供のような寝息。私はそのリズムを子守唄のようにしてまどろむ。  おじさんの背中に寄り添ってパジャマの端っこをつまんでいると、夢のなかでも迷子にならなくてすみそうだから。

 

#自作小説の冒頭  時代が変わるとき、鳥の声も変わる。 おやじが云ったことだ。時々空を仰いでみるけれど、雲の切れ目や屋根の先、鳥のさえずりに変化を感じたことはない。  それでも俺は、時代の境目を知っている人間になりたい。だから空を眺める。ふと、電線に止まった灰色の鳩と目が合った。

 

#自作小説の冒頭  花びらがくすりと笑った。 鼻先を掠めるように落ちていく。まるで、想いびとにはぐらかされた気分になり、瞬間見とれていた自分を恥じてしまう。もちろん、人の思いなど、桜が知る由もないのだが。

 

#自作小説の冒頭  はじめて降りる駅。  すべてが霧に包まれていた。電車に乗っていたのは私ひとり。プラットホームから微かに輪郭がわかる駅舎に入ると、堅いものにぶつかった。腰高ほどある木の箱だった。 『免罪箱』と書かれた、上蓋の丸い穴に切符を投げ入れると、一気に視界が鮮明になった。

 

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